性同一性障害とは、医学的な病名です。
すなわち、「生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的にはそれとは別の性別であるとの持続的な確信をもち、かつ、自己を身体的および社会的に別の性別に適合させようとする」障害です。
この障害は、生物学的でいう一般的な性別と、ジェンダー・アイデンティティ(自分が考える性別認識)の不一致によって引き起こされます。
生物学的性別は、受精の際に精子にY染色体があるかどうかによって決まります。一方、ジェンダー・アイデンティティは2歳半ごろまでには、ご本人の中で決定づけられて、その後、それを変更することは、とても難しいといわれています。
いまだ不明のことが多い性同一性障害ですが、胎児のころの脳の形成過程が深く関与していると考えられています。
性同一性障害になられる方は、自分の身体的な性に対して持続的に不快感や嫌悪感を感じます。また、社会生活の
中で生物学的に分類された、自分の役割について、不適切な感覚を覚えるようです。
それと同時に、自分と反対の性に対して、身体的に同じようになりたいと考えたり、社会的にも反対の性として
受け入れて欲しいと感じます。
生物学的な性別とジェンダー・アイデンティティ(自分が考える性別認識)が一致しないことにより診断されます。
①生物学的性別による判定※医学的に半陰陽(はんいんよう)、あるいは間性(かんせい)などの生物学的性別異常は除きます。
また職業上の理由や、趣味、嗜好の理由で、別の性別を望む方も除きます。
現在は、日本精神神経学会のガイドライン(第3版)に沿って、精神科領域の治療(精神的サポート)と身体的治療の2つにその治療法を分けています。
精神科領域の治療を先行し、身体的治療への移行が適当かどうかを判定します。
ただし当院は心療内科ではないため、性同一障害の診断はできませんが、お悩みの方は院長までご相談下さい。